漫画の仕事を
わかり合える仲間がいる。
遠回りしたけれども、
ここに来られて
よかった。
ヨリフジさん
熊本県
熊本市出身
37歳
漫画の仕事を
わかり合える仲間がいる。
遠回りしたけれども、
ここに来られて
よかった。
熊本県
熊本市出身
37歳
「コアミックス九州まんが賞」に入賞したご縁で、この施設を運営するコアミックスから、ここを拠点に活動する096k熊本歌劇団を漫画に描く仕事を依頼いただいたからです。歌劇団を取材しながら描くことになるため、同じ空間で過ごしているほうが仕事をしやすいかもと思いました。2020年末にお話をいただいたあと、翌年2月に視察に訪れ、入居を決めました。
実はアーティストビレッジのある場所が町営の温泉施設だった頃、ここに来たことがあります。私は生まれ育ったのは熊本市内なのですが、いまは近所に実家があるため、家族で訪れていました。知らない場所ではなかったことも、入居を決断できた理由かもしれません。4月16日からここで暮らし始めました。
アトリエには個人用の大きな机とデジタル設備があるので、漫画の仕事をしやすい環境と思います。インターネットの通信環境も整っているため、東京にいるコアミックスの編集者とのやりとりも不自由さはありません。
なによりもいいなと思ったのは、同業者が同じ環境にいることです。漫画の仕事は特殊なため、親しい友人であっても理解してもらうのは難しく、孤独です。でもここには、漫画の仕事の機微をわかり合える仲間がいる。そういう環境は、私にはありがたいです。
住居棟も快適です。自室のほかに共有のリビングがあり、高機能の洗濯機や大型テレビ、シャワーが設置されていて、住みやすいです。光熱費も負担せずに済みますので、一人暮らしをしていた頃と比べて生活しやすい環境です。
食事も、ここではプロの料理人が3食用意してくれるので、規則正しく摂ることができます。以前は締め切り前の忙しい時期は食べなかったりしましたが、ここに来て食生活が変わりました。
ふだんは10時くらいにアトリエに来て、仕事を始めます。没頭して描いているので、食事の時間以外は施設が閉まる21時直前まで描いていることが多いです。
休みの日は日用品の買い物に出かけたりして過ごしますが、住居棟の自室で描くこともあります。
あせらず、息の長い活動をできればと思っています。096k熊本歌劇団に関する連載のほか、コアミックスの「月刊コミックゼノン」に読み切り作品を依頼いただきました。ここにいることでいただける機会を大事にしていきたいです。
私はいま、一人暮らしの頃と比べて、お金や生活の心配のない環境で漫画執筆に集中できています。
中学生のときに、同人活動をしている友人に誘われたことが、画材を揃えて漫画を描き始めたきっかけでした。その後も描き続け、いつか漫画を仕事にできればと思っていた私にとって、漫画を依頼してもらえる点でも、幸せな環境です。ここに来るまで遠回りしたけれども、来てよかった。漫画を仕事にしたいと思っている人にすすめたい。そんな魅力的な場所です。
ヨリフジ先生が作画を担当している話題作
(※原作/蛙田アメコ(エブリスタ) 漫画/ヨリフジ)はWEB『ゼノン編集部』で読めます